大切に守り続ける
アーケードと弁天様
三の輪銀座商店街振興組合(ジョイフル三の輪)
少しずつ若返る
都電とともに歩む商店街
都電荒川線「三ノ輪橋」停留場から「荒川一中前」停留場までのエリアに広がる三の輪銀座商店街。“ジョイフル三の輪”の愛称で親しまれ、惣菜屋や肉屋、青果店、弁当屋やパン屋、衣料品店など、地域の暮らしを支える多彩なお店が軒を連ねます。
「商店街の歴史は、都電が市電と呼ばれていた頃の大正時代に遡り、古くから営業を続けるお店が多くあります。私たちは都電とともに、歴史を歩んできたんですよ」と三の輪銀座商店街振興組合の理事長・高木義隆さんは話します。
老舗だけではなく、「最近では、自家製ジェラートのお店やほうじ茶ラテを出すお店など若者向けの店舗も増えてきました。商店街も少しずつ若返っていますよ」と高木さんは笑みをこぼします。
ドラマや映画のロケ地に
聖地巡礼で訪れる人も
昭和レトロの雰囲気をかもすジョイフル三の輪は、テレビドラマや映画のロケ地としても人気です。テレビドラマ『3年B組金八先生』、『三匹のおっさん』、映画『万引き家族』などの舞台になり、取材したこの日も商店街を舞台にしたドラマの撮影が行われていました。「聖地巡礼(映画やドラマの舞台、ロケ地をめぐること)で、商店街を訪れる人も多いです。今後はさらに“ロケ地ならジョイフル三の輪”というイメージを広めたいですね」と高木さんは話します。
ジョイフル三の輪は、荒川区では唯一、アーケードに覆われている商店街でもあります。「アーケードを維持するのも費用がかかります。そのため、アーケードを残すべきか、撤去すべきか加盟店にアンケートを取ったこともあります。もちろん、結果は残す!買い物に訪れるお客さんのために、今もアーケードを守り続けています」。
みんなで踊ろう
“ジョイフル音頭”
アーケードとともに、商店街が大切に守っているのが、中島弁財天。商店街近くの銭湯の中庭に置かれていた弁天様の石像を、商店街が譲り受け、開運・商売繁盛の神様として安置しました。商店街の守り神は、商店街の手で大切に守られています。
弁天様にちなみ、ジョイフル三の輪では、中島弁財天祭りや子ども縁日などの弁天市、毎月11日には弁天セールを開催しています。また、願掛け札を「弁天池」ゆかりの水に溶かして商売繁盛や学業成就を願いイベントなども。加えて、「多くの人にこの商店街を知ってもらいたいと考え、“ジョイフル音頭”も作りました。音楽にあわせて、みんなで楽しく踊ることができます。私はあちこちで踊りすぎて、体のあちこちが痛いですが(笑)、たくさんの人に“ジョイフル音頭”を楽しんでもらいたいですね」と高木さん。
都電とともに歴史を刻むジョイフル三の輪は、笑顔あふれる明日へと進んでいます。