3つの商店街の店主が集結、
大塚の街にもっと賑わいを!

3つの商店街の店主が集結、 大塚の街にもっと賑わいを!
商店街系

南大塚ネットワーク

イベントや祭りを次々企画、
地域活性化の起爆剤に

イベントや祭りを次々企画、
地域活性化の起爆剤に

 「南大塚ネットワーク」の設立は、2007年。大塚駅南口にある3つの商店街「サンモール大塚」「盛和会」「商興会」の若手店主が中心となって結成しました。「当時、商店街は個々にセールやくじ引きをやっていたので、どうせやるなら一緒にやろう、となりまして」と話してくれたのは、団体代表であり、地元で味噌卸問屋を経営する酒井雅敏さん。「大塚の街は、池袋と巣鴨に挟まれて、あまり元気がなかったのです。都電も停まる駅なのに“大塚は降りたことがない”という方も多くて…。昔は繁華街として栄えていたのに、このままではいけないと思いました」。

 当時の各商店街会長からも「好きなようにやってみなさいよ」と背中を押されたメンバーは、まずは商店街をPRするためにホームページ制作から始めました。次は「ホームページにのせるコンテンツがほしいね」と、祭りやイベントを次々と企画・運営。地域住民や地元企業・団体と連携しながら時間をかけて、一つひとつのイベントを育てていきました。

地域が生んだオリジナルブランド
「大塚ものがたり」

地域が生んだオリジナルブランド
「大塚ものがたり」

 メインイベントは、“街に音楽があふれ出す”をコンセプトにした「おおつか音楽祭」です。駅前広場や街のホールをステージに、さまざまなジャンルの音楽を無料で楽しめる音楽祭は、毎年大盛況。大塚の新たな魅力となりました。他にも、バラ祭りや阿波踊り、ビアガーデン、七の市など、季節ごとのイベントも盛りだくさん。
さらにメンバーは、街おこしイベントと並行して「地域のオリジナルブランドを作ろう」と思い立ちます。「大塚は、美味しい日本酒が飲める“大人の街”だから、オリジナルの日本酒があっても面白いだろうと思って」と酒井さん。酒屋の仲間に日本各地のお酒を集めてもらい、“大塚らしい”味のイメージを固めてから、オリジナルの日本酒を開発しました。ブランド名は、「大塚ものがたり」。第一弾の日本酒は大好評、その後も「自分の店でも作りたい」という店主が、味噌、米、どら焼き、クラフトビールなどの新商品を誕生させました。「ブランド認定の基準は、“商品への想いや、商品が生まれるまでの物語を語れるか”ですね。皆、地域への想いを込めて、いいもの作ってくれていますよ」。

期待に応えてくれる街
再開の時を待ちわびる

期待に応えてくれる街
再開の時を待ちわびる

 13年間、絶え間なく活動を続けてきた、南大塚ネットワーク。その成果について聞いてみると、「出ていると思います。街は賑わい、イベント参加者は年々増えているのを肌で感じていました」と酒井さん。しかし、結成当時は「若手店主」だったメンバーも、現在は後継者問題に直面しつつある、といいます。「僕らの代で終わらせないよう、若手メンバーを増やしていかないと」。そんな状況の中で起こった、コロナ禍。イベントは軒並み中止になりました。「こんなに動かなかった年は初めて。商店街の仲間も厳しい状態ですが、なんとか頑張っているようです」

 「2020年はメジャーデビュー10周年だったので、私も何かやりたかったんですけどね…」。実は酒井さん、“歌う味噌屋の若旦那”として、地域応援ソング「大塚ものがたり」を歌う地元の有名人でもありました。「大塚は、一生懸命やればやるほど、応えてくれる街。ここで諦めずに、次のアイデアを練りながら、再開の時を待ちたいですね」。メンバーが紡ぎ出す、愛にあふれる大塚ものがたりは、これからも続いていきます。

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