歴史と文化の街、荒川区の魅力を
歩きながら楽しく伝える
荒川区観光ボランティアガイド
ガイドになるきっかけは、
“自分が住む街をもっと知りたい”
荒川区は、江戸時代から今に続く神社仏閣、史跡、文化財などが点在している歴史と文化の街。そんな区の魅力を広くPRし、地域活性化の力にしようと、2006年、荒川区が第1期観光ボランティアガイド養成講座を開講。修了者が初代公認ガイドとなって「荒川区観光ボランティアガイド」が発足しました!
現在、ボランティアガイドは、区内在住のメンバー約40名。メンバーは、定年後、これまで家と職場の往復だけで地域のことを知らなかったから、講座を通して地域のことを学びたい、という方が多いそうです!
生まれも育ちも荒川区尾久、現在、同会長である宇井克彦さんは、ガイドとなって約10年。定年前は、長年、荒川区内を取材する仕事をしていたので、区内の史跡や文化財などに詳しく、「これまで培った知識や経験を活かせるから」とガイドの活動を始めました。
南千住コースや
都電途中下車の旅も人気
現在は主に、参加者が希望するコースを案内する、オーダーメイドの「依頼型まちあるき」と、ボランティアガイドがコースを設定し、参加者を募集する「公募型まちあるき」を行っています。「公募型まちあるき」は募集人数約50人で年3回程度開催、お花の季節に行う「花めぐり」、お正月に行う「七福神めぐり」など毎回テーマを決めて案内しています。また、その他にも隣接する北区との合同まちあるきや、松尾芭蕉の「おくのほそ道」旅立ちを記念した「千住まちあるきツアー」を行なっています。
人気コースは、都電沿線では南千住コース。江戸時代の歴史の舞台になった延命寺や回向院などの寺院や地域の総鎮守である素戔雄(すさのお)神社、荒川ふるさと文化館、三ノ輪橋停留場などを案内しながら散策するそうです。「都電に乗ってみたいという参加者も多くて、途中下車をしながら回ったこともありました。都電沿線には、いいお寺がいくつもありますからね」と宇井さん。尾久の地蔵寺本堂では、普段は観ることはできない千体地蔵尊を特別に拝観できるなど、このガイドならではの特典も満載です。ガイドメンバーは、日頃から研究会をして勉強したり、自作の資料を使うことで、より内容の濃いガイドになるよう心がけているといいます。その熱意が伝わり、リピーターも年々増えているそう。
再開後も、荒川の魅力を
深く掘り下げるツアーを
「ガイドとして皆さんをご案内することで、私自身の勉強にもなるし、いろんな再発見もありました。どうしても読めなかった小林一茶の石碑の句の意味が分かるようになった時は嬉しかったですね」と笑顔を見せる宇井さん。東京オリンピック開催決定後は「荒川区もおもてなしを」と活動により力を入れるようになりました。しかし、2020年の春からは、コロナ禍の影響ですべての活動が中止に。荒川区に興味持ってくださる方は多く、問合せも絶えませんが、今は仕方ないと割り切り、再開の日に向けて、検討をすすめています。
「荒川区の魅力を深く掘り下げるガイドツアーであることは、これからも変わらないと思います。再開を心待ちにしたいですね」と想いを語る宇井さん。今しばらくは、充電期間。宇井さんをはじめとするメンバーとともに、街を楽しく散策できる日が一日も早く訪れることを願うばかりです。