早稲田停留場をみんなで育てた
四季の花でおもてなし!

早稲田停留場をみんなで育てた 四季の花でおもてなし!
花系

フラワー・フレンドリーグループ

停留所のご近所の有志
10人で2000年に発足

停留所のご近所の有志
10人で2000年に発足

「荒川線の三ノ輪橋から乗って来るとバラがずっときれいで、早稲田に来ると殺風景で寂しいなと思って」。それが「フラワー・フレンドリーグループ」の発足理由です。「早稲田停留場を訪れた人たちを、花でお迎えし、花でおもてなししたい」と、2000年に活動をスタートしました。発起人の岩野淑子さんらは、荒川車庫に赴き「早稲田停留所にプランターを置かせてほしい」と陳情しました。都の交通局から正式に許可を得てプランターを設置。しかし、当時の早稲田停留場には水道がありませんでした。「約10人のメンバーが毎日交代で、自宅から2リットルのペットボトルに水を汲んで運んでいました。ひとりで4本とか。あの頃はみんな若かったので(笑)」。活動を始めて6年目にホームの端に水道も設置され、早稲田停留所のほかに、近くの都バス停留所2カ所も任されるようになりました。それ以来、早稲田停留所のまわりを四季折々の花で彩り、訪れる人たちの心を和ませる活動を続けています。

この活動を継続するために
次の世代につないでいきたい

この活動を継続するために
次の世代につないでいきたい

「フラワー・フレンドリーグループ」のメンバーは、毎日の水やりの他、年2回は土も入れ替え、花の植え替えも行っています。例年であればメンバーで和気あいあい楽しい作業も、2020年春の植え替えは新型コロナウイルスの感染予防に配慮し、密にならないように行われました。「事前に一人ひとりの持ち場を割り当てて、マスクをして、熱中症にならないよう短時間でやるようにしました。メンバーは高齢者が多いですからね、万が一のことがあってはいけない。これからのやり方を考えさせられました」。会の発足から気付けば20年、そろそろ後継者問題を話し合わなければいけないと感じている岩野さん。「20年はあっと言う間でしたね。元気な限りがんばって続けたいとは思っていますが、少しずつ若い世代に引き継いでいけたらいいなと思っています」。

花を愛する心で
地域の人とつながる喜び

花を愛する心で
地域の人とつながる喜び

20年も続けて来られたのは、やはり喜んでくれる人がいるから。お揃いのグリーンのエプロンを身に着けて活動しているときに声を掛けてもらえると本当に嬉しいと岩野さんは言います。「いつもきれいですね」とか「挿し木にしたいのでわけてもらえますか」と言われることもあるそうです。一方で、プランターの中にたばこの吸殻を見つけることもあるのだとか。「ポイ捨て禁止と書いてあっても灰皿のように捨てる人はいますよね。そういう人は、花に興味なんてないんでしょうね」。
花は毎日水やりが必要ですし、咲いたままにもしておけません。メンバーも少ない「フラワー・フレンドリーグループ」にとって、後継者問題は切実なテーマです。早稲田大学の学生サークルと連携、なんてどうでしょうか?「それができたらいいですね。水稲荷神社のおまつりでは、毎年、早稲田の学生さんたちがお神輿を担いてくれているので、もしも私たちのような地域活動にも興味を持っていただけたら、とてもうれしいですね」。
早稲田停留所を訪れたらぜひ、「フラワー・フレンドリーグループ」の皆さんが20年育んできた花のある風景を、どうぞ心に刻んでください。

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