荒川区の誇る食文化「もんじゃ」
を通して街をもっと元気に!
あらかわもんじゃ学研究会
荒川を愛し「もんじゃ」を愛する
メンバーが集まり設立
「あらかわもんじゃ学研究会」の設立は2012年。荒川区の食文化のひとつである「あらかわもんじゃ」をこよなく愛するメンバーによって組織された、民間のまちおこし団体です。
現在のメンバーは約15人。「もんじゃ屋さんはいないし、飲食業の人すらいないんです。純粋に、もんじゃファンの集まり」と、笑顔でもんじゃ愛を語る会長の鵜飼新介さんは、荒川生まれの荒川育ち。「荒川区ってどんな区?と聞かれたときに、ずばり“これだ!”と言えるものがない。外から人を呼べるのは、やはり食だと考えたら、荒川にはもんじゃがあるじゃないかと思ったんですよね」。
あらかわもんじゃの歴史を鵜飼さんに聞きました。「江戸の下町文化に“文字焼き”というのがあって、屋台で子どもたちの前で、粉を水で溶いたものをひしゃくで鉄板に流して、文字や魚のかたちに焼いて売っていた。それがだんだん鉄板の周りに子どもたちを座らせて自分で焼かせるようになったようで。その方が効率がいいですもんね(笑)。荒川区は日暮里に駄菓子の問屋街があった関係で、昔から駄菓子屋がたくさんあったんです。駄菓子屋の片隅に鉄板があって、そこで子どもたちに文字焼きを売っていた、それが荒川のもんじゃ文化のルーツなんじゃないかと思います」。
なんでもコラボできる
「もんじゃ」はボーダーレス
「あらかわもんじゃ学研究会」は、その名の通り、もんじゃの歴史や発展などを研究しながら、荒川区内に約60店あるもんじゃ屋さんの地図の作成・配布、地元の伝統野菜である三河島菜ともんじゃの融合ワークショップ、区との協働によるフードフェステイバルなど、さまざまな活動を展開。2014年からは、あらかわもんじゃを地域の子どもたちに伝えるための「あわかわもんじゃ教室」も開催しています。「子どもたちに自分の街の文化を誇りに思ってほしいので、正しく伝えるためにも、もんじゃの歴史についていろいろな文献で調べ続けています」と鵜飼さん。大好評のもんじゃ教室は、2020年は新型コロナウイルスの影響で開催することができませんでしたが、その間にも新しい活動の準備に余念がありません。他の自治体や団体、企業やメディアからの注目も高まっているそうです。「もんじゃってなんでも好きなものを混ぜて作れるので、どんなものとでもコラボレーションできるという強みがありますね」。
「もんじゃ」という文化を
荒川から世界に発信
あらかわもんじゃは、レシピや具材や焼き方に定義はない、と鵜飼さんは言います。「あらかわもんじゃは、ガラパゴス的に進化しているんです。お店によって和風、洋風、韓国風、タイカレー風、餃子風、全く違う独自の進化が楽しめます」。具材をサークル状に固める「土手」を作らず、具材を混ぜて一気に焼けるメニューも多いそう、初心者にも優しいもんじゃですね。「あらかわもんじゃの傾向としては、生でも食べられる具材や、下ごしらえ済みの具材を、細かく刻んでいるお店が多いので、誰が焼いても失敗なくおいしく楽しめます」。
今後は、都電ともんじゃのコラボマップも制作したいと、鵜飼さん。「都電に乗ったり降りたりしながら、沿線のもんじゃ屋さん巡りを楽しんでほしいですね。あらかわもんじゃは、味もボリューム感もさまざまなので、はしごして楽しめるのも特徴です」。
今後は、とかく比較されがちな月島もんじゃともコラボレーションしていきたいと鵜飼さん。「対決とかじゃなく、“もんじゃ文化”を一緒に盛り上げていきたい。日本にもまだまだ“もんじゃ”を知らない人がいますし、世界の食とコラボしながら、ここ荒川から世界に向けて、もんじゃ文化を発信していきたいです」。