商店街の魅力発見

小台本銀座商店会

小台本銀座商店会

「梅の湯」 栗田尚史さん

3代続く老舗銭湯が見てきた
商店会の移り変わり

小台停留場からすぐにある旧小台通りを半ばまで進むと見えてくる「小台」「銀座」と書かれたブルーの柱。その街路灯が「小台本銀座商店会」の目印で、通りには昔ながらの惣菜店や青果店が並んでいます。そんな商店会のなかで、昔から愛されているのが銭湯「梅の湯」です。現在は3代目の栗田さんが跡を継ぎ、地域の憩いの場を提供。「会社員として働いていた時期もありました。10年ほど前に、当時銭湯を切り盛りしていた母が、一角に飲食店を開きたいと言い、そのタイミングで私が銭湯を継ぎ、母が飲食業を始めることになりました。その後、2016年に大規模なリニューアルをし、1年半の改装を経て再スタートを切ったんです」と栗田さん。リニューアルの際には、銭湯としての開放感やリラックスできる空間を大事にしつつ、多くの人に知ってもらえるよう、店のロゴをかわいらしく仕上げるなど、細部までこだわりを盛り込んだと言います。

栗田さんの祖父の代から始めた「梅の湯」。 〝おじいちゃんの家〟という想いで、幼少期を過ごしていたそう。「私が小さいときに比べ、現在は店の数は少なくなっていますが、逆に居住者は増えている気がします。子どもの頃は、夏には出店も開いていました。今ではそうした地域の取り組みも少なくなってしまっています」。家業の担い手不足や高齢化に伴い、商店会の様子も少しずつ変化していったようです。

地域全体を盛り上げるため
銭湯ができる挑戦とは

栗田さんが家業を継いでから、他の銭湯のみなさんをはじめ、地元の方々など、地域の垣根を超えた交流を積極的に行い、さまざまな情報交換を行ってきたと言います。「最初は銭湯のことですらわからないことが多かったので、他の銭湯に聞いたり、地域の店の担い手同士で交流をするなどしていきました。そうした活動が、不動産物件に新たな価値を見出す「東京R不動産」の目に留まり、一緒に何かできないかといってできた施設が『おぐセンター』です」。小台本銀座商店会と小台本銀座通り柳会の境目辺りにある「おぐセンター」は、カフェのほか、子どもが遊びに来たり、教室を開いたりできる地域のコミュニティスペースとして、約2年前にオープンしました。「おぐセンターで地域住民同士が交流を持てたり、この地域に興味がある人の窓口になる拠点ができたことは、地域全体の発展に繋がっていると思います」。

「梅の湯」では、寄席やバーなど、これまでにもさまざまなイベントを企画し、開催してきました。「おぐセンターにはこれからも、人と人とを繋ぐ交流の拠点となってほしいですが、銭湯としても、単身者や家族連れなど新しい層に来てもらえるような取り組みにチャレンジしていきたいと思っています」と熱く語ってくれました。

小台本銀座商店会

小台停留場から旧小台通りを進んだ先にある商店会。昔ながらの青果店や惣菜店、電気店や銭湯、衣料品店などが並ぶ。

電話番号
03-3893-1255
会長
内野国営

梅の湯

1951年創業。3代にわたり営業を続け、2016年の大規模改装を経て、モダンな銭湯へと生まれ変わった。

住所
荒川区西尾久4-13-2
電話番号
03-3893-1695
営業時間
15:00~25:00
休み
月曜
料金
大人(16歳以上)480円、中学生300円、小学生180円、小人(6歳未満)80円、レンタルタオルセット100円、サウナ(追加料金なし)
アクセス
小台停留場より徒歩約7分

※価格はすべて税込み表記です。年末年始の休業については各施設にご確認ください。
※このページの情報は2021年09月01日時点の情報になります。営業時間等、最新情報は各店舗にご確認ください。

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