人の良さ、街の良さを知り
遊園地通り商興会に加盟

荒川車庫前停留場から住宅街に向かって歩いた先にある「+h café」。建築家の浅見和宏さんとパティシエの博子さんご夫婦で営まれ、ステンレス工場跡地を店舗、アトリエ兼自宅としてリノベーションし、２０１８年にオープンしました。

「パリに7年暮らし、帰国後はお互いのスキルを活かして、店を持ちたいと話していました。最初はシトロエンのキッチンカーを購入し、移動カフェとしてイベントに出店していました。そろそろ固定カフェを持ちたいと思い始めていたときに、気に入った物件を西尾久に見つけて越して来たんです」。

東京さくらトラムで繋がる下町の雰囲気や、遊園地通り商興会の人の良さと温かさに魅力を感じ、この地に移り住んだといいます。「商興会では月に１度、遊園地通りを中心にマルシェを開催しています。通りにテントを立て、あんみつやドリンクなどを販売して、地域住民の交流の場にもなっています」と博子さん。「開業準備をしているときに、ちょうどそのマルシェをやっていたので遊びに行ったんです。その時に初めて商興会の存在を知り、会長の山岸さんや会員の人たちの人柄に触れ、私たちも商興会に加盟することにしました。東京さくらトラムは間隔の近い停留場ごとに昔ながらの商店街があり、それぞれに特徴のある昭和の街の雰囲気が残っているところがすごく良い。都電があることで地域の繋がりが視覚化され、さらにレトロな街の魅力を引き出してくれている気がします」と和宏さん。商興会の良さや下町の良さを教えてくれました。

新たなスタートを切った商興会の
活動とこれからの取り組み

遊園地通り商興会は２０１５年に、7軒の加盟店から再スタートを切りました。「イベントなどに積極的に取り組み、活性化した組織にしようと、山岸会長を中心に再編され、現在までに24の店が加盟しています」。月１回のマルシェのほか、音楽ライブやクラフト体験ができる「すとりぃとふぇす」を年１回、また「シンコ・デ・マヨ」というメキシコ発祥のお祭りを年に１回、荒川遊園グラウンドで開催し、多くの来場者で賑わいをみせているそうです。

遊園地通り商興会は、1本の通りに面しているのではなく、加盟店が西尾久を中心に広いエリアに点在していて、それが逆にこの商興会の強みや良さになっていると和宏さんは言います。「商興会の活動に参加したいと思えば店の場所や業態に関係なく商興会に入れるという良さがあります」。博子さんは、「仲間の結びつきが強く、私たちのカフェを利用してくれたり、友人に紹介してくれたりと、なにかと気にかけてくださいます」と、地域の助け合いに魅力を感じておられました。

現在リニューアル工事のため休園している荒川遊園地が２０２２年の春には再オープンを迎えることもあり、訪れる人が増えることが予想される遊園地通り商興会エリア。地域に根差した活動の企画や、点在する加盟店を周遊できるような仕組みをメンバー同士で話し合い、活気のある街づくりをしていきたいと、ご夫婦とも商興会活動への意欲を語ってくれました。