早稲田と長崎の路面電車あるある

ホリエ会長さんのお店「キッチン ミキ」は、何年くらいになるんですか。

山内創業1963年なので、今年で59年になりますね。母が始めた店なんです。

ホリエ僕の５つ離れた兄が、学生時代、この近くに住んでたんです。

山内僕が店を継いだころかなあ。29年前なんですけど、そのときに値段を下げたんですよね。

ホリエえっ、下げちゃったんですか？

山内そこからずっと上げてないんですよ。

ホリエめちゃめちゃ安いですもんね。兄も来たかもしれないなあ。当時、僕はまだ中学生で、長崎に住んでたんですけど、2回くらい遊びに来て、このあたりも兄と歩いたことがあるんですよね。

山内長崎にも路面電車が、ありますよね。

ホリエ僕、長崎市の観光大使をやらせてもらっていて、PR活動で「路面電車LOVERS」を宣言してるんです。

山内そうだったんですね。僕らのころは都電のことチンチン電車って呼んでましたよ。

ホリエ長崎でもチンチン電車って呼んでましたよ。

山内同じなんですね。子どものころは今よりもっと道路自体が狭くて、都電ももっと身近に走ってる感覚でしたね。中学で塾に行くようになって日常的に乗ってましたしね。

ホリエ多分、長崎の子どもと市電との関係と同じですよね。長崎の人って今でも、市電のことを「電車」って言って、JRのことは「汽車」って言います。

山内路面電車の方が乗るまでのアプローチが短いし、便利ですもんね。階段の上り下りもいらないし、着いたらそのまま道路だから。

ホリエ僕、この前、ツアーで久しぶりに広島に行ったんです。街なかからホテルまで20分くらいだしと思って歩いてたんですけど、「あ、路面電車が来たから乗ろっか」ってなりました。

山内その感覚すごくわかります。僕も、昔、「面影橋」停留場の真ん前のマンションに住んでたから、窓から電車が来るのが見えたら、家を出てました。都電のある街で育ったので、やっぱり路面電車が大好きで、高知と札幌には行ったことがあるんですけど、長崎にはまだ行けてないんですよね。

都電と大学生と商店街で早稲田ならではの企画を

山内早稲田の街にはこんなに便利な都電があるのに、意外と学生さんたちも知らなかったりするんですよね。実は早稲田大学に一番近い駅は、北門まで徒歩2分の都電「早稲田」停留場なので、早稲田受験生にもおすすめなんですよ。

ホリエ確かに、断然都電が便利ですよね。

山内うちの店の目の前に見える建物が早稲田の国際学部なんですけど、留学生の子たちにも、東京にこういう乗り物があるんだよって、興味を持ってもらいたいですよね。

ホリエコロナ禍で対面授業も減ってるみたいですけど、早稲田の学生さんたちは、今ではだいぶ戻って来てるんですか？

山内昨年の４月から対面授業が７割になったおかげで、ほぼすべての学生さんが早稲田に出てくるようになり、街の人口はぐっと増えましたね。

ホリエそうなんですね。よかった。

山内実は早稲田の街は、コロナ禍以前から、大学の休みの時期には人口が減ってしまうので、街にお客さんを呼び込む企画を常々考えていたところなんです。これまでにも、隣の大隈通り商店会と一緒に「西早稲田こども天国」などのイベントを開催してきました。

ホリエ子ども対象のイベントだと学生さんも参加しやすいですよね。

山内学生の目線は子どもたちに近いので、僕らにはない発想で協力してくれてありがたいです。早稲田は新宿区内で都電と関連している唯一の商店街なので、都電と連携したイベントやツアーなどを企画したいという思いが多分にあります。

ホリエいいですね。早稲田の見どころといえば何でしょうかね。

山内やはりなんといっても桜の季節ですよね。神田川沿いの桜は本当にきれい。僕は日本一だと思ってる。桜を見に来るだけでも、都電で早稲田に来る価値があるので、ぜひ来てほしいですね。

ホリエ桜の季節にぜひ来てみたいですね。まずは今日、「面影橋」まで行って、神田川沿いを歩いてみます。